『焙煎』と書いてなんと読むのでしょうか・・・答はバイセンです。
いわれについては以下のようです。   柴田書店発行の書物より引用

ローストの訳語は焙煎(ばいせん)で正しいのだろうか

日本語で、ローストのことを「焙煎」と呼ぶのは既に定着している。この言葉自体は戦前、昭和ヒト桁には既に使われていたようである。

 焙煎と書いて「ばいせん」と読む。この読みも定着しており、「炭火焙煎(すみびばいせん)」とか「自家焙煎(じかばいせん)」と言う言葉を、一般 の人でも聞くようになった。

 しかし、焙煎の『焙』の字は、実は「ハイ・ホウ」の読みしかなく、「バイ」とこれを読むのは明らかに誤読。「焙烙」は「ほうろく」としか読まない。

 なぜ誤読が定着してしまったのか。昭和十三年発行の「珈琲研究・九月号」に収録の「珈琲研究講座」(板寺丘陽)によると、ローストの訳語に焙煎を最初に当てたのはカフエー・パウリスタ会社であるという。もっとも、なぜ読みが「焙煎」に定着してしまったかは明らかではない。

 読みはともかく、戦前に「大阪珈琲焙煎商業組合」が時の政府(商工省)に認証されていることから、社会的に認知されてしまったようだ。

 話を元に戻すと、板寺氏は「焙煎」の「煎」の字に対しては意味の上から異議を唱えている。字義的には「煮る」の意味で、汁の乾くまで煮詰めることである。ものを「あぶる・いる」というローストの訳語としては不適切でむしろ「炒る」の字を使って「焙炒」とし、読みや「はいしょう(原文では旧仮名なのでハイセウ」とすべきだ、と主張している。

 焙煎と言う言葉が決定的に定着する前にこの誤りを正さなければ、将来に禍根を残すと、今ならまだ間に合うはずだと、氏は訴えている。

 そして、この主張より50年以上が経ち、「焙煎(ばいせん)」は完全に定着してしまい、今さら「自家焙炒(じかばいしょう)」などとは、言えなくなってきた。珈琲界の柳田国男氏の悪い予感が的中してしまったのだが、それでは、辞書の方で「焙=正しくは、ハイ・ホウ。最近はバイとも読む。例:焙煎(ばいせん)」とでもしてもらう他はない。


注:パウリスタはブラジル移民の功労者、水野龍がブラジル政府の援助を受けて明治四四年に店を出したのがはじまりで、日本の珈琲黎明期に果たした役割は大きい。


コーヒー豆 当社沿革
ご注文方法
フォームへ
所在地
コーヒーブレイク 訪問販売法による
表示
店主のひとりごと トップページへ戻る

さいたま市浦和区北浦和3-8-6 TEL/FAX 048-831-8827

copyright (c) CONCORD 1997