。。。いろいろなことがあるのです。。。
1999年に書いた「店主のひとりごと」です。
 

《パネトーネ》

長かった残暑も終わり、朝夕めっきりと寒さを感じる今日この頃です。厚手の衣料が欲しくなります。といっても私のワードローブにはスーツ&ネクタイの類いはほとんどありませんが。

店内には年末恒例のクリスマス用パネトーネ)が到着、ディスプレイされ、いよいよ年末商戦(ちょっと古い表現でしょうか)のムードが高まってまいりました。

いつも今頃の時期になると考える事があります。年末年始の営業についてです。地元商店街、大型店鋪などでは、歳暮セール・ウィンターセールなどで福引、ガラポン、最近ではパソコンを使ったもの、はては現金つかみどりまでと、いろいろ行なわれています。しかし一向に盛り上がりません。商店街に育った自分としては歳末の風情が年々うすれていく様で寂しさに耐えません……。

しかし小売業とは時代対応業なのです。時代は刻々変わり、消費者のニーズも変わっていくのです。対応のできないものはサバイバルできず、淘汰されていくのです。クリスマスのイルミネーションも涙ににじみ、街行く人々の視線もどこかよそよそしく感じ、妙に楽しそうに見えてしまう。そんな自分になりたくはありません。

もっと楽しく商売をしましょう。

もっとお休みを増やしましょう。

もっと給料を増やしましょう。

もっとお店を明るく、きれいにしましょう。

そして後継者がやってみたくなるようなお店にしましょう。

 

※※※ブラジル産パネトーネについて※※※

パネトーネは中世紀にイタリアで生まれたフルーツ入りのパンです。現在はブラジルが世界最大の消費市場となっており、クリスマス前後の1週間で1200万個食べております。日本人がクリスマスケーキを食べるのと似た感じですが、ブラジルはもっと宗教的な背景があるように思われます。

天然の小麦粉・卵・バター・レーズン・オレンジ・パパイア・レモンシトロン等のフルーツの風味を生かしたまろやかさ しっとりさはイタリア独自のものです。
ブラジルのパネトーネは独特の甘い香りが特徴で世界的に認知されております。日持ちも良く、製造後3ヶ月経過した頃が、1番おいしくなる時期だと言われています。クリスマスまで飾ってから、当日切り分けて食べるのだそうです。

このパネトーネには逸話があります。中世紀、イタリアの若者が町のパン屋の一人娘を射止めるために なんとか主人の気に入る珍しいパンの創作に一生懸命になって、ついにパネトーネを作り出してめでたくゴールインしたということです。

(1999.11.27.記)topへ戻る

 
《コーヒー豆》

今回はコーヒー豆についての話です。農作物であるコーヒー豆には当然、等級があり、同じ銘柄でも品質には相当の格差があります。

一般にコーヒーの品質は、味の良し悪しによって決められると思われているが、実は直接味の良し悪しによる品質のとらえ方をしているのは、ブラジル以外では少なく、多くはコーヒー豆の外見、つまり「粒の大きさ」「コーヒー豆の色」「異物の有無」「生産された地区の山の高さ」等々によって、品質等級が決められている。

もちろん外見上での分け方も味の良否に関係あるのだが、直接的にコーヒー豆の味をテストして品質等級を決めるのでなく、つまり舌で等級を分けるのでなく、見た目、視覚によって等級分けされるのである。そのためコーヒーの取引は、産地で品質等級に分けられてから、買い手側はサンプルを取り、自分でカップテストをして、味について直接チェックの上、決めるのである。コーヒーの品質等級については、世界的に統一された基準はなく、各生産国ごとに決められているのが実情なのです。

以上 かいつまんで述べましたが、かかる現状において、私のようにコーヒーの焙煎をして、販売をする立場のものとしては、良い生豆を選んで買うことが、実は大変に重要なのです。毎年 作柄の違う農作物ですので、それを見きわめ、カップテストして、おいしいコーヒーを提供するには、豊富な経験値とするどい味覚が要求されるのです。

結論的に言うならば、どのグレードのコーヒー豆を選び、どのように焙煎するかは、店主の真の実力なのです。と言っても過言ではないと思います。 

(1999.10.29.記)topへ戻る

 

《ひとりごと》

ようやくセールも終わりました。開始直後より涼しい日々が到来、好評のうちに「10月1日はコーヒーの日」キャンペーンも閉幕しました。暑い日が続いた反動でしょうか、大変な忙しさで、疲労困ぱい、まさにうれしい悲鳴と申せましょう。

10月10日、11日の連休を利用して、前回記した通り改装を致しました。小さな改装でしたが「落ちついた感じになりましたネ。」「いい雰囲気つくってますね。」等々好評です。新設の手づくりクッキー(甘さひかえめ、無添加)コーナーとの試飲、試食でもお客様はホットした顔でお帰りになったような気がします。

私達の気持ちは充実感でいっぱいなのですが、体の方がついていきません。セールの疲れ、連休中の改装の疲れ、天候の不順についていけず、少しダウン気味です。この次の休みはゆっくりしたいと思っています。 

(1999.10.19.記)topへ戻る

 

《ブラジル下坂農場》

9月も下旬となりましたが、今年の暑さはどうしたのでしょうか。早く涼しくなってくれないとコーヒーのためにも私のためにも、非常に困るのです。
 いつも(夏も冬も)コーヒーはホットでしか飲まない自分には夏枯れの現象が非常にさみしいのですが、やはり暑い気候のときは冷たいものが欲しくなるのは人情というものでしょうね。
 まさしく一日千秋の想いで過ごす今日この頃なのです。

ブラジル下坂農場よりの情報によれば、旱魃と騒がれたが、雨も順調に降りはじめたので、収穫作業も遅れ気味なので、160人で頑張っているそうです。今年は品質・量 とも最高の出来で、9月10日にサントスを出港し、10月下旬には届く予定です。尚 下坂農場が10月11日4時30分〜5時30分にケーブルテレビのディレクTVまたはスカイパーフェクTVにて放映されます。
いづれにしてもニュークロップが楽しみです。

恒例の「10月1日はコーヒーの日」を記念してのイベントのため今は大変忙しいのです。今年はセール終了後に改装を予定しています。レイアウトの変更程度の小規模なものですが、お客様が試飲できるコーナーができたらと考えております。近くにお出かけの折には、是非御来店下さい。焙煎機があり店内いっぱいのコーヒーの香りを満喫できると思います。

(1999.9.28.記)topへ戻る

 

《紅茶について》

今年の夏は、いろいろな事がありました。猛暑と多雨のため、焙煎室は大変! 連日、汗まみれになり、着替えをしないと接客できません。
夏休み中は、大変御迷惑をおかけいたしましたが、例年通 り完売にて休み入りできました。そんなに若くはないので(コーヒーと共に歩んで いつのまにか52才)ジュウデンにつとめ、自宅にてゴロゴロする毎日でした。
休み明け前日は これも、いつも通り焙煎室にて丸1日コーヒーと格闘、全アイテム20種余りがラインナップ。

8月下旬 紅茶のダージリン“セカンドフラッシュ”が到着、“ファーストフラッシュ”同様リッシーハット、セリンボン、サングマの各茶園を試飲。セリンボンがイチオシ、甘口でやわらかく、香り高い、まさしく紅茶のシャンペン。50g 1,200円は良いと思う。こんな紅茶を喫茶店で飲めたらお客様は楽しいだろうと思った。
しかし、現実は・・・・・・
コーヒーも紅茶も、喫茶店では業務用だからそんなに良いものはいりませんとか、かなり有名なレストランのシェフでも うちは料理がメインですからとか、何度言われたことか。
食後に飲むコーヒー、紅茶がおいしかったら、さぞかし印象も良いと思うのですが。
業務用なのだから、最高のものを使って欲しいのです。
さらには自分でおいしいものをきわめて、ブランドとか銘柄に左右されず、本物を選んでもらいたいものです。

(1999.9.3.記)topへ戻る

 

《きわめて最近の話》

7月初旬のある日、立ち飲み低価格コーヒーの草分け的大手ロースターを定年退職なされた方が来店しました。開口一番「私もこういう店をやってみたいと思っていました。」とおっしゃるので「何故 御社のフランチャイズで行わないのですか」と問うと「あのシステムでは、ちょっとよろしくないのでは?」と。

さらにお話を聞くと約20年の在職中には、工場で焙煎を行ない、コーヒーの抽出技術等の指導もなさっていたとか。しかるに自分は小売りの経験が全くありませんのでそのあたりをご教授願いたい、との事でした。

関係者のご紹介でもあったので、一応お話は聞きましたが、私自身の中にこみあげる憤りを押さえることができませんでした。

ノウ・ハウを売り物にしているフランチャイズ企業の組織にて、誰よりもノウ・ハウの重要性、貴重性を認識の方が、退職後とはいえども身軽に来店し、1時間以上も店頭にて拘束し、アレもコレも教えて貰えるという態度には、サラリーマン的甘えの構造及び小さな店に対する彼等の優等意識がふつふつと感じられました。

「もう何もお話することはありません。」と言うと、「非常に良いお店ですので、また来ます。よろしく」と。 もう来てほしくありません・・・!!

開業志望のみなさん、特に商売となさる方(趣味道楽の方は別 ですが)
そんなに甘くはないですよ!
技術を会得し、それをなりわい(生業)とするには、修行・経験が必要なのです。

(1999.7.25.記)topへ戻る

 

《昔のはなし》

それは夏のあつい1日でした。昼過ぎのこと、店頭にて営業マンらしき、スーツ姿の若者が2人立ちどまりこちらを見ていました。しばらくして1人が入店してきました。全体的に店内をみわたした後、あちらこちらの商品を手にとり、納入業者、メーカー等の確認みたいなことをはじめました。
「何かお探しでございますか?」の問いには返事がありません。が、行動は止まりません。
他にはお客様はおりませんでしたので、「何か?」と再び、すると「これよく売れますか?」との問いに相手をよく見ると胸バッジにデーコーヒーとありました。
                           ☆店主やや絶句
先程の彼と入れ違いに上司と思われる男性入店、しっかりと上着は脱いでいました。
豆売場の前に立つと「今一番売れているのはどれですか」「炭火焙煎コーヒーについてはどのようにお考えですか」と矢つぎばやの質問に、「あなた何ですか!」と店主。彼、平然と「次のセールの企画で急いでいるもので。」
 「どちらの方ですか?」「いや別に。」と退店。
                           ☆店主絶句

(1999.6.26.記)topへ戻る

 

《初めまして》

お店は20年程前に店鋪内を改装しました。10年ひと昔と前はよく言いましたが、お店はいつもきれいにしているつもりです。毎日ではないですが、日々ディスプレーも変えています。(店主は変え様がないので。)「お店は生き物だ」というのが、私の考えです。そのせいか、新しくできたお店と思われることが度々あります。「もう30年になります。」と話すとびっくりされて、「きれいだから、新しいお店かと思った!」などと言われる事もあります。ほめてもらっているのか複雑な心境になっていしまいます。そんななか次の様なお客様が時々いらっしゃいます。

お客様 「あら、いいにおいがするわね!これ何のにおい?」 …においではなくコーヒーの
香りですよ!と思いつつ
店主 「いらっしゃいませ、これはここで焙煎しているため、コーヒーが新鮮ですので、いい香りがしているのです。…それでも、もう1回
お客様 「これは何というコーヒーのにおいなの?」
店主 「ご覧のようにたくさんのコーヒーがありますので、全体的にいい香りがするのです。」
お客様 「いちばんおいしいのはどれ?」
店主 「全部自信をもっておりますが、お客様のお好みにあったものをお薦めしたいと思います。どんな味がお好きですか?」
お客様 「私はコーヒー通ではないので、よく分からないわ」
店主 「それでは、いつもどのようなものをお買い求めですか?」(マンデリンとかモカという様な答えを待っていたのですが、、、)
お客様 「いつもコーヒーは、日本橋の○×デパートでしか買わないの。ちょっと足りなくなったので寄ったのだけど、お宅のコーヒー大丈夫?」
店主絶句! 本当になんと言ったらよいのやら・・・。まぁ言葉のやりとりでお分かりになるように、少しお年を召した方が多いのですが、デパートが1番だと思っていらっしゃる様です。
でも、このような方ばかりではありません。うれしい言葉もたくさんあります。
最近よくみえる様になったお客様です。いつものコーヒーを注文してから「コンコードさんでコーヒーを買うようになってから、困っちゃったのよ」(あれ、何かしてしまったかな?)と不安になりつつ「どうしたのですか?」と問いかけると、「実は、主人が外でコーヒーを飲めなくなっちゃったの。仕事の関係でコーヒーを飲む機会があるのだけれど、『家で飲むコーヒーが1番おいしい』って、外でコーヒーが飲めないのよ!」と半分うれしそうな顔をして話してくれました。こちらもホッと安心して「うれしい悲鳴ですねェ。奥様のいれたコーヒーが1番なんて!」 ここで終わる場合もあるのですが、なかには「いいえ主人が自分でいれるから…(いれてくれるから)」という方もいらっしゃいます。
いずれにしても、自分の好きな時間に好きなようにコーヒーをいれて飲めるのは、最高です。
自分もどうしても外で飲む場合には、仕事のためと思ってコーヒーを頼む事もありますが、残念なおもいをすることが多いものです。

(1999.6.5.記)topへ戻る


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